2011年03月06日

小さな一歩を褒めることの大切さと難しさ

子供たちの成長の過程を見ていると、本当に頭が下がります。
なぜなら「言った通りのことをがんばる」から。

でも、それに気がつくのは難しい。
なぜなら、大人の目から見たら「一歩」にもなっていないように見えるから。
でも、その子にとっては大きな「一歩」
そんなことが多いんですよね。

小さな一歩を褒めることの大切さと難しさ




先日、ある子供とカードゲームで遊んでいた時のこと。
その子は、ちょっと他の子たちとうまくコミュニケーションがとれない子。

そのカードゲームも、本来のルール無用で遊んでいました。
「先生、遊ぼう!!!」
そういって一緒にやるものの、私は、毎回ぼろ負けしていました。
そりゃそうです。その子の気分でカードの効果をつくり、
ルールも変えるのだから、負けて当たり前。

周りで見ている子たちも、

はじめは興味をもって近寄ってくるものの、
「ルールも何もない」ということで、
やっても負けるから離れていってしまいます。

何度か遊んだ後、私は考えて一言伝えました。
「○○くんは、強いねぇ。でもいつも勝っててばっかりだと、
相手はつまらなくなっちゃうよ。
たまには一緒にやっている友達も、勝ちたいと思うよね。」


想像で遊ぶ、ということもまた、子供同士では大切。
だから、想像を元にオリジナルルールで遊ぶということ自体はいいこと。
だけど、常に自分に都合よくしていたら、相手はタイヘンだよね。
友達も、遊んでくれなくなる。そういったところへの配慮ができればな。

そんな気持ちを込めて、相手にも勝たせてあげることが
できるようになればいいなと、そう考えて言った一言でした。



それを受けて次の日、いつもの通りその子が私とカードで対戦をしようと言ってきました。
そこで、対戦をしていました。
途中経過はいつもの通り。
その子にとって都合よくルールをつくり、大勝ちをしていました。

「うん、いつもどおりかな」
そう思った矢先、

「ここで僕の自爆!!!先生の勝ち!!!」

突然、自分のカードをぱっと弾き飛ばして、
私の勝ちを宣言しました。

私は、「やったー!!勝てたー!!!」と喜びました。

でも、内心は「そんな勝ち方はうれしくないよ。
それは違うでしょ。それじゃ他の子も嫌がるままだよ。
そんな投げやりなやり方じゃなぁ・・・」

と心の中で思ってしまいました。

結局、二回戦ったあと、
「またあとでね」
といって、その日の対戦は終わりました。


「うーん、やっぱり言っても通じないかな・・・」
なんて思いながら、その日は帰宅したのですが・・・
あらためて考え直してみると猛反省です。

その子は、私が言った通り、「相手(私)を勝たせた」んですよね。
まさしく、こちらが言ったとおりのことを
がんばってやったわけです。

なのに、そこを評価しないで、
「ああっ、思ったとおりにならないな」と思ってしまった自分。
その時、すぐに「おっ、昨日言ったとおりにできたね。がんばったね」
とほめてあげることをなぜしなかったのだろうか、と猛省しました。



これは、子育てだけに限ることではないけれども、
自分が考えている一歩と、他の人の一歩は違う。
ましてや、伝えている言葉通りに相手がしているにも関わらず、
「こちらの意図はそこじゃないんだよな」
と、もっと先を見ていたりして。

それができなかったことに対して、
「何でわからないの?」
と思うのではなく、

「一歩踏み出したこと」に対して、
こちらが伝えたことをやってくれたことに対して、
感謝したり評価したりすることが大切なのに。
なかなか、その一歩に気がつかないことって多いんですよね。

その一歩をほめられるからこそ、次にも進めるのに、
それを認められなかったら、
「どうせやっても意味ないし」
という子供に、人間になっていってしまいます。


「小さな一歩を褒めることの大切さと難しさ」

改めて、そんなことを感じました。
日々、見直ししていかなきゃいけませんね。



同じカテゴリー(教育)の記事画像
【一流を目指す子供たちのために 一流のケアを】
【基本を学ばないと応用はない】
「かわいい子には旅をさせろ」
【基本の大切さ】
「教え育つ」ではなく「共に育つ」のが愛情
いまは保育の心を持ちたい
同じカテゴリー(教育)の記事
 【一流を目指す子供たちのために 一流のケアを】 (2013-05-13 12:53)
 【基本を学ばないと応用はない】 (2013-02-16 15:11)
 「かわいい子には旅をさせろ」 (2012-11-06 15:00)
 【基本の大切さ】 (2012-10-06 10:00)
 「教え育つ」ではなく「共に育つ」のが愛情 (2012-09-25 21:00)
 いまは保育の心を持ちたい (2012-08-03 20:00)

Posted by くみちょう at 19:00│Comments(0)教育
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
小さな一歩を褒めることの大切さと難しさ
    コメント(0)