2013年05月27日

【託された想いに応える】

【託された想いに応える】
~ 上毛新聞オピニオン21 平成25年5月25日(土)掲載 ~

あそびの市場実行委員会
実行委員長 小松愼二


このおばあちゃんに出会えて
こんなお話をいただけることが
私の人生のよろこびなんだと
そうつくづく感じています





~ 以下本文 ~

よく「今の日本は恵まれすぎているからよくないんだ」
「経済大国とか言って物質的な豊かすぎるからこういうことになるんだ」
そうしたネガティブな意見がありますが、それって本当にそうなのでしょうか。
その一つの答えを聴いた出来事をご紹介いたします。
 これは私が大学一年生の春のお話。
大学生になったということがうれしくもあり、
また初々しい気持ちでいっぱいだったあの頃。

大学周辺を友達と散歩しながら、
ふと目に入った農作業をしていたおばあちゃん。
「こんにちわー」とあいさつしたら
「こんにちは。学生さんかい?」なんて話しかけられて。
立ち話を3時間くらいしたのですが、その時のお話です。

「教育学部なんですよ」なんて話をしつつ、
「子育て」の話だとか「いまの教育の話」だとか、
いろいろと話が盛り上がる中、こんな話になりました。

おばあちゃんから「大学生いいねぇ。楽しんでね。」
そう言われた時、当時の私はちょっと悩んでこう答えました。
「ありがとう、おばあちゃん。
でもね【大学なんか行かないでいいから仕事しろ】とか
【大学行くなんて道楽だよね】って言われたりすることもあって・・・
これでいいのかなって悩んだりもするんです・・・」

そう言った私に、そのおばあちゃんはこう言いました。
「私たちの頃には、勉強したくてもできなかったの。
みんな生きるのに精いっぱいで、とてもそんな余裕はなかった。
勉強なんかできない。好きなことなんかもちろんできない。
でもね、そんな中でなんでがんばってこれたと思う?
それは【自分たちは無理でも、子や孫の世代には、
お金のことなんか気にせずに好きなことしてもらいたい。
勉強してもらいたい。考えたり悩んだりしてもらいたい。
そのためにいま私たちはがんばるんだ】って、
そう思って生きてきたの。
そう思うことで生きてこれたの。
だからあなたたち孫の世代には、
お金のこととか仕事とか気にせず、
一生懸命勉強してもらいたい。
それが私たちの願いだから。自信を持って勉強してね。」

立ち話でしたが、私はおばあちゃんのその想いを聴いて涙がこぼれました。

 冒頭のようなネガティブな意見は、私はまちがっていると思います。
「豊か」にしてくれたことに感謝こそすれ、
それを非難するような発言は、
このおばあちゃんに対して失礼きわまりないなと。
豊かなことを否定するのではなく、
豊かさをどのように有効に使っていくのか、
そこに段階がシフトしたのが、
現代の日本社会なのではないでしょうか。
父母、そして祖父祖母からの【託された想い】に今応えていく、
そんな社会にしましょう。


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Posted by くみちょう at 21:43│Comments(0)まじめ
 
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