2012年03月09日

人生の岐路

「俗世間を離れる生活」

「俗世間の中での生活」


これは、何年も前から自分の中にくすぶる一つのテーマです。

いや、高校生の頃に読んでいた「項羽と劉邦」
その頃からおぼろげながらにも感じていたので
もう20年近くになるのでしょうか。

中国全土を統一して「漢王朝」を設立した「劉邦」
彼に対して尽くした「三傑」と呼ばれる三人の英雄がいます。

国士無双と言われた戦の天才大元帥 「韓信」
国内の内政においてこれ以上なく裏方として仕事してくれた大宰相「蕭何」
軍師として常に最高の智恵を授けてくれた「張良」

人生の岐路



この3名を指して「三傑」と呼ばれています。
歴史が好きで、よく読んでいた私としては、
当然、この三人も好きなわけですが・・・

中国全土を統一したあと、
彼ら三人はどんな生き方をしたのかというと・・・

「韓信」:反乱の罪を着せられて死刑
「蕭何」:常に罪を着せられそうになるのに苦心し続ける日々
「張良」:隠居し、山にこもり、悠々自適の生活

そう、張良は言っていました。
どんなに素晴らしい人間でも、目的を達成したところで
身をひかなければ、その後はろくなことにならない、と。

「韓信」は、彼がいなければ「劉邦」は「項羽」には勝てませんでした。
それだけの大元帥ですが、だからこそ、統一後は最大の懸念になりました。
「彼に反乱を起こされたら勝てない。だからその前に殺そう」
そう思われ、殺されていくのです。


「蕭何」は、劉邦が旗揚げして以降、なんと一度として
「食料の配給」等が遅れたことはない、というほどの人物でして。
常に後ろから支え続けてきたすばらしい人間なんですが、
そんな彼ですら、中国全土を統一した後は、
「いつかとってかわられるんじゃないのか」と疑われ、
その疑念をはらすためという、権力争いに終始することになります。


「張良」だけは、そのことを察して、
「中国を統一する」という彼本来の目的を達成したところで、
「私は隠居します」といって、
引き留められるも自分の意思を貫き、隠居します。

結果として、その「張良」だけが、苦しむことなく生きることができたわけです。


・・・その結果を読んだ時に、高校生の当時から
「なにか釈然としないもの」を感じてきたのですが。。。


つい数年前、私がお会いした素晴らしい方たちがおりまして、
それもまた、同じようなことを言っていました。

「インターネットとかを通じても、絶対に表に出さないで欲しい」

私は、「すばらしい活動をしているのだから、もっと表にでて活躍して欲しい!!」
「この生き方をみなさんにもぜひ伝えてほしい!!」
そう言いましたが、

「世の中に出ると、嫌でも欲にまみれたりしていく。
自分が言っていなくても、意図せず権力に利用されたりする。
だから、個人としての対応以外は、これからも決してしない。」

・・・その時「張良みたいだな」と感じたものでした。


さて、自分はどっちの生き方を望むのだろうか。
「そんな歴史上の大人物と比べるなんておこがましいと思わないのか?」
そう感じる人もいるかもしれませんが、

じつは「やっていることの本質は変わらない」んですよね。
ただ、その結果が「大きい」かそうでないかの違いなだけ。

・・・どういう生き方がしたいのか。
「張良」なのか、それとも「蕭何」なのか。

どんなに誠実に生きたとしても、
人から恨まれたり、羨まれたりするのが、世の中というもの。
それは、上記の「蕭何」が歴史上示してくれています。

表の世界に出続けるということは、
それを覚悟しなくてはいけないということ。


それを現実に突き付けられた時、
あなたはいったい、どちらを選ぶのですか、と。

そういうことなんだと、思う。


ただ、張良のように「目的を達成」してからの隠居なのか、
それとも「達成する前」から、生き方の違いとして隠居するのか、
そのあたりも含めて、自分と向き合って考えたいものです。



同じカテゴリー(まじめ)の記事画像
【反省と後悔は違う】
【時代に取り残される気持ち】
「義務先行の原理」
【恩師からの電話】
【託された想いに応える】
【宗教戦争が大嫌いな私】
同じカテゴリー(まじめ)の記事
 【反省と後悔は違う】 (2013-08-08 19:45)
 【時代に取り残される気持ち】 (2013-06-06 12:41)
 「義務先行の原理」 (2013-05-30 18:08)
 【恩師からの電話】 (2013-05-29 12:48)
 【託された想いに応える】 (2013-05-27 21:43)
 【宗教戦争が大嫌いな私】 (2013-05-22 12:37)

Posted by くみちょう at 10:00│Comments(2)まじめ
この記事へのコメント
千里の先の状況を見抜く術があるかないか。

・・・「張良」といえば、そんな感じで評されてると思います。
きっと、先を見抜く術を備えていたのでしょうね。
先を見るのに必要なのが東洋史観。
東洋独自の干支は、10年、1年、1月、1日単位で、個人の
出来事などの方向性を確認できるんです。
http://www.birthday-energy.co.jp/
の運命2012がとっつきやすいですよ。

体系化されているから、ルールと調べたい人や物事の生年月日が
分かれば調べられます。
「張良」のことですから、劉邦が中国統一の時期と、そのあとの出来事の
方向性を調べていたのかも知れませんね。
東洋って、奥が深い・・・。
Posted by オツヤツ at 2012年04月22日 00:21
>オツヤツさん
こんにちは。コメントありがとうございます。

先を見る目、東洋史観。
まさしく、いま自分でも学ばせていただいているところです。
リンク先の運命2012さんの内容も
ぜひとも学ばせていただきたいと思います。

先を見る目、それは時代の流れを見て、
どう流れていくのかを読んだ上で行動する。
世界全体、この世の流れというものを見て、
自分自身のこれからにも反映させていただきたいと思います。

すばらしいコメント、お教えいただきまして、ありがとうございます。
Posted by くみちょうくみちょう at 2012年04月25日 12:50
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
人生の岐路
    コメント(2)