2008年08月26日

しわよせは子どもに行く

先日ありました、某事件について、
少々長いですが、省略なしで読んでいただきたいと思います。


埼玉県三郷市の民家で3月、幼児3人が置き去りにされ、
島村健太ちゃん(当時2)が死亡、双子の長女が負傷
した事件で、
保護責任者遺棄致死傷の罪に問われた母親の無職島村恵美被告(30)=同市早稲田2丁目=
の初公判が20日、さいたま地裁であり、島村被告は起訴事実を大筋で認めた。
動機については「育児の煩わしさから逃れ、交際男性との同棲生活を送るため」と指摘した検察側の主張に対し、
「育児放棄になりやすい状況だった」とし、複合的な要因によると主張した。

検察側は冒頭陳述などで、島村被告は2月、双子の父親で名古屋に単身赴任中だった
内縁の夫とは別に、近くの居酒屋店員と交際を開始。
店員と2人で近くに借りたマンションで同棲したいと考えるようになり、3月3日ごろ、
「ママはもう戻らない。後はよろしく。(妹と弟の)面倒見てね。おなかがすいたら
電話をかけて」と言い残し、子どもを置き去りにしてマンションに移り住んだ、と指摘。

事件当時6歳だった長男が1日数十回、「弟や妹が泣いている」と電話で助けを求めたが、
島村被告はせいぜい1日1~2回、子どもたちのいる祖父母宅の玄関先に行って、
ハンバーガーやパンなどの出来合いの食べ物を長男に渡すだけで、おむつ交換などをしなかったと指摘。
児童相談所職員などとの面会も拒み続け、「20歳前半から育児に追われていたので、
一人の女として自由になりたい
と供述したという。
http://www.asahi.com/national/update/0821/TKY200808200380.html

一方、弁護側は、健太ちゃんが夜泣きがひどかったことや内縁の夫や実母らの支えもなく、
「育児放棄になりやすい状況だった」と主張。
「交際を始めたばかりの男性に癒やしを求め、育児放棄がエスカレートした」と述べた。

起訴状によると、島村被告は店員と同居するため、3月3日以降、間借りしていた
祖父母宅の3階の部屋に3人を放置。12日に健太ちゃんを脱水症や低栄養で餓死させ、
長女に脱水症などで10日間のけがを負わせたとされる。

この日、長い髪を後ろで結い、グレーのトレーナーにジャージー姿で入廷した島村被告。
裁判長の問いかけに、小声で答え、うつむきながら落ち着かない様子だったが、
検察側が長男の供述を紹介すると、あふれる涙をこらえることはできなかった。

「ママが作ったシチューやカレーが大好き」という長男。母親が去った感想を検察官が
聞くと「我慢できなかった。さびしかったよ。何度も電話したけど全然出ない」と答えたという。

ゴミが散乱する部屋で出来合いのパンやハンバーガー、お菓子を買い与えられる日々。
「残っていたご飯を食べようとしたら腐っていた。冷蔵庫もないから」。
当時2歳の妹と弟を一生懸命笑わせようとしたが、長女が笑っても、「弟(健太ちゃん)はずっと
泣いていた」という。


健太ちゃんの死を目の前にした島村被告は「お前はクビだ」と長男を平手で一発たたいたという。
それでも長男は「本当に全部ボクが悪い。面倒みろと言われていたのに、
全然お菓子とかあげないで」と
母親をかばったという。
http://www.asahi.com/national/update/0821/TKY200808200380.html

「「本当に全部ボクが悪い」 6歳長男、捨てられても叩かれてもなお母かばう…埼玉の幼児餓死事件 」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1168033.html


自分の平穏を求めることは悪いとは言いません。
が、守るべき子どもがいるのに、何をいまさらそんなことを言うのでしょうか。

これを読んだ瞬間から、涙が止まらないのですが・・・
感情に任せて様々なことを書くことはいくらでもできますが、
あえてここは、いくつか、整理して話をしたいと思います。

○ 家族内での問題は、すべて子どもへと出てしまう
今回の件では、親が意識して子どもへと責任を転嫁しておりますが、
家族の間では、意識せずとも、子どもが背負うことになるんですよね。
なぜなら、子どもはそれを言葉ではなく感覚で感じ取るものだから・・・
「子どもは難しいことわかりっこない」
そう感じているご両親がいらっしゃったら、ぜひそのことを考えていただきたい。
なまじ言葉にできないからこそ、余計に苦しみは大きいですよ。
そしてそれを子どもなりになんとかしようとするから、
子どもの苦しみは大きくなっていく。
そのことを、改めて考えなくてはいけないと、そう思います。

○ 自分のしあわせと他人のしあわせ
自分がしあわせを願うのと同時に、
他人も同じようにしあわせを願っているということ。

当たり前のようだけれども、これを考えることができるようになるのは、
非常に難しく、そして多くの悩み、苦しみを乗り越えていく必要があるなとも感じています。
だから、なかなか他人の苦しみやしあわせについて考えることは難しいですが、
だけど、これだけは感じて、考えてもらいたい。
「あなたが苦しんでいるのと同じコトを、他人も苦しんでいる」
自分だけが苦しみ、他人だけがしあわせなんてことは絶対にありません。
そのことを、深く心に刻んでもらいたいと、そう思います。

相手のしあわせを願ってる、と自己満足に浸っても仕方がありません。
そのためには、相手にそのことをはっきりと聞いてみてください。
人は超能力者ではありません。
話も聴かずにそれを知ることはできないのです。
必ず、相手にそのことを聞き、自分もそれを話すようにしましょう。


当たり前といわれていることばかりかもしれませんが、
こうした痛ましい事件の裏側になるのは、そうした「当たり前」といわれていることを、
なぜかやらなくなってしまったということにあります。

繰り返しますが、「人は超能力者ではありません」
話も聴かずにわたかったつもりになるのは非常に危険です。
同時に自分のことをわかってもらいたいと思ったら、必ずそれを伝えましょう。

これ、すっごく大事なのに、みんな忘れてしまいがち、
遠慮してしまいがちなところです。





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Posted by くみちょう at 18:00│Comments(4)教育
この記事へのコメント
★えちこママです~~~~~~~~~^^♪

●相手のしあわせを願ってる、と自己満足に浸っても仕方がありません。
 そのためには、相手にそのことをはっきりと聞いてみてください。
 人は超能力者ではありません。
 話も聴かずにそれを知ることはできないのです。
 必ず、相手にそのことを聞き、自分もそれを話すようにしましょう。

◆そのとうりですね・・・。くみちょう!
◆自分が幸せでないのに、なぜ人に幸せをあげられる?
 私は人を癒し、幸せにするのがミッションだ・・・といわれても
 ではあなたは人からしあわせそうにみられてますか?って
  いいたい人が沢山いますね。

自らが幸せでなくて 他人など・・・とてもとても・・・。
幸せってなに? 貴女にとっての幸せは?
その答えを すぐにいえますか?

人を救うって・・・そんなあいまいな言葉ではなく
具体的に 日常の 小さなことを きっちりやり通すことが
とっても大切だと思います。

自らが自己責任にて 自立、自律を心掛けたいね(~o~)
またゆっくり話しましょう!
Posted by えちこママえちこママ at 2008年08月26日 18:17
『しわよせは子どもに行く』か・・・。

先日くみちょうにお世話になった件、まさにこの言葉のとおりでしょうか。

子供は健気です。

この事件だって、現実、頑張ってもどうしようもないのに、母親のことが好きだから子供は頑張った。

生死の間際でお菓子をあげたって元気になるワケがない。

笑顔を見たいから笑わせたってやっぱり元気になるワケない。

でも『よくやったね』と褒められたいし、怒られたくないから頑張る。

きっとこの子は「辛さ」を知っているやさしい大人に成長するでしょう。

この心理、未婚のハチでも分かるのに、性欲(もはや愛でもなんでもない)に走ったこの母親。罰を受けよ。

かわいそうな子供を一人でも減らすため、くみちょう、

頑張ってくれ!!
Posted by 埼玉のハチ at 2008年08月26日 23:34
二人の言っている事そのものなんで特に語りませんが・・・

まずはこれから産まれてくる子供にあんまりそういう思いさせないような親になろうと頑張る気持ちでいっぱいです。

この子の気持ち・・・俺はスゲー分ります・・・
Posted by ぐっさん at 2008年08月27日 06:08
>えちこママ
自分が幸せでないのに、他人を幸せにするってのは無理だと思います。
自己犠牲ってありますが、それは違うと。
みんな幸せではじめて幸せなんですよね。
世界が幸せで満たされるように、これからがんばっていきましょう!!

>はち
もう、言いようがないよね。誰でもわかる話だと思うんだけれども・・・
これからの時代をつくるのは子どもたち。
だから、少しでも多くの子どもたちをしあわせにすることが、
世界をつくることになると、そう思って活動しているよ。
ありがとう、がんばるよ!!!

>ぐっさん
「人のふりみて我がふりなおせ」
これってなにげなくいい言葉なんだよね。
こうした事件が起こるたびに、自分の中で「自分はだいじょうぶかどうか?」
と問いかけて、反省することができたらいいのかなって思うよ。
この子の気持ちを大事にしていくことが、私たちには大切なんだよね。
Posted by くみちょうくみちょう at 2008年08月29日 10:57
 
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