2008年09月16日

ゲームから学ぶ 安易な「万人受け」の危険性

ゲーム好きじゃなくてもついていけるように話を展開しておこうと思いますが、
いかんせん、ゲーム好きとして深い話をしている部分もありますので、
「ちょっとゲームのことはわからないかも・・・^^;」という方は、
<前編>を読み飛ばしつつ、<後編>から読んでいただけたらと思います。

<前編>

「不思議のダンジョン」
ゲームから学ぶ 安易な「万人受け」の危険性


このシリーズは、「トルネコ 不思議のダンジョン」として、
ドラゴンクエストⅣの第三章の主人公である、商人「トルネコ」をメインにして、
ドラクエのスピンオフ企画として、ソフトが発売されたのがスタートでした。

毎回生成されるダンジョンの形が変わり、落ちているアイテムや登場するモンスターも変わるため、
「1000回遊べるRPG」というキャッチフレーズでしたが・・・
実際に「1000回」遊べましたね♪
本当に毎日毎日、続けてやっていたのを思い出します。

さて、そんな「不思議なダンジョン」も、シリーズ化されたり、
キャラクターを変えて発売されたりと人気作として続編がつくられてきたわけですが、
このたび、DSにおいて最新作が発売されます。

「不思議のダンジョン 風来のシレンDS2 砂漠の魔城」
https://www.amazon.co.jp/dp/B001ASHRB6?tag=logicparadise-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=B001ASHRB6&adid=03TKHQ46XXN91BKP43WH&

人気作の続編、ということで期待も大きく、
発売前からすでにたくさんのレビューがついているのですが・・・

一つ紹介したいと思います。

確かこのゲームをGBカラーでプレイしていたのは7年前になるだろうか。
風来救助という画期的なシステムが導入されたのもこのソフトがきっかけだったと思う。
当時はオンラインプレイなどなかったが、ゲーム攻略サイトの掲示板を通して
様々な人々が互いに救助し合っていたことが非常に懐かしく感じる。
ゲームバランスは「風来のシレン」の名に恥じない程度に厳しく(スーファミや64に比べると若干易しいが)、
中毒性が非常に高く、やり込み要素もたくさんあったので、毎日飽きもせず何度も何度もダンジョンに潜った。

このゲームは私にとって本当に思い入れのあるソフトだ。
だからこそ、開発スタッフ陣にどうか願いたい。
これ以上「シレン」の価値を落とさないでほしい。
風来のシレンは万人受けしてもらえるためのゲームだったろうか?
もちろんこの素晴らしいゲームを多くの人々にプレイしてもらいたいが、
そのために難易度をむやみに落としたり、余計なシステムの導入によって
シレンの価値を損ねてほしくないのだ。



この気持ち、よくわかります。

もう一つ、事例を紹介いたします。

「ファイヤーエンブレム」

ゲームから学ぶ 安易な「万人受け」の危険性



このタイトルを聴いただけで「リセットの嵐」を思い出した人もいるでしょう。
私は、闘技場での「アーダン」のうめき声が今も耳に残っています(爆)

「好きなキャラクターがやられたー!!!」と嘆いてのリセット。
「レベル上がったけど能力の上昇が気に食わない~!!!」でリセット。
進みに進んで、いい感じだと思ったのに、最後の最後で一人やられてリセット。


でも、その難易度こそが、ゲーマー魂に火をつけて盛り上がったものです。

が、そうしたゲームを「万人受け」と称して、リメイクという名の改悪が行われています。

これまで「マニアック」な部分でウケてきて、
そのウケがいいからと「普遍性」をもたせて、一般に広めようとする。
しかし、その途端に面白くなくなる。

これはゲーム業界に限ったことではない。
テレビにおいても、「深夜番組」が面白く、それを「ゴールデン」に持っていて失敗する、というのはよくあることだ。
それまでの「マニアックな部分」こそがウケていたのに、
それを排除してしまうことで、「万人受け」するようにしたつもりが、面白さを排除することになってしまう。

<後編>

現在のゲーム業界は、完全に二極化している。
「万人受け」を狙うか、「ゲーマー層」を狙うか。

ゲーム業界で「万人受け」を成功しているのは「任天堂」だけ、と言い切っていいでしょう。
「DS」での「脳を鍛えるDSトレーニング」、「Wii」での「Wiiスポーツ」に代表されるように、ゲームに関心を持っていない人でも楽しむことができている。

たしかに、それによって任天堂はふたたびゲーム業界の雄としての地位を取り戻した。
それを見て、他のゲーム会社もそれに追従しようと必死の動きを見せている。

しかしそれは、ゲーム業界にとって致命的な勘違いであると言わざるをえない。

いや、「誰しもが気軽にゲームに触れることができる環境づくり」というのは、
業界自体の取り組みとしても非常に面白く、かつ有意義なものであることは確かです。
しかし、今回なにがまずいのかというと、そのためのアプローチ手段が誤っているということなのです。

「ゲームが万人受けするためには、簡単にすればいい」

こうした、安易な取り組みによって、業界全体のレベルが下がっています。
任天堂が、「DS」や「Wii」によって獲得した新規ユーザーたち、万人受けの「万人」部分は、
「簡単なゲームならできる」とは思っていません。
「みんなでわいわいと楽しめること」を求めているのです。

そうしたところへのアプローチを忘れ、安易な気持ちで「万人受け」を狙い、
「簡単にする」ということだけを考えることで、逆に面白みも含めて、すべてを失っていきます。


これは何もゲーム業界だけに限ったことではありません。
様々な業種において、「難しいからとっつきにくい。なら簡単にすればいい。」という考え方で、
そのものの本質を忘れて誤った方向に進むことはよくあることです。

人はついつい、「万人受け」したいと思って、安易な方向へと進みがちです。
そうではなく、きちんと大切にすべき「本質」を大事にした上で、
「誰しもが取り組みやすくする方法」を模索していくことが、もっとも大切なことだと、そう思います。

自分自身、教育を通じた活動がたくさんしておりますが、
安易な形で人を呼びこもうとして、本質を忘れるようなことがないように、
気を引き締めておきたいと、そう思います。


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この記事へのコメント
突然のコメント失礼致します。
勝手ながら私どものサイトからこの記事へリンクをさせていただきました。
http://sirube-note.com/game/

もしよろしければ、こちらのページより相互リンク登録もしていただけましたら幸いです。
http://sirube-note.com/game/link/register/
現在のページからのリンクは一定期間の予定ですが、よろしくお願い致します。
(自動書込のため、不適切なコメントとなっていましたら申し訳ございません)
token:blgeiB8b
Posted by sirube at 2008年09月16日 18:21
>sirubeさん
リンクありがとうございます。
自動リンクということで確認させていただきました。
登録させていただきましたので、よろしくお願いいたします。
Posted by くみちょうくみちょう at 2008年09月17日 06:59
「シレン」はハチには難しすぎる。

アクション苦手なのはもちろんなんだけど、あの
「死ぬとレベルも持ち物も初期状態に戻る」というシステムが
RPG畑で育ってきたハチには酷です・・・。

でもその高難度が「シレン」の特徴でありウリなんだよね。
誰でもクリアさせたいなら「シレン」の冠ははずして、別のゲームとすべきだ。

ハチが思うのは、難易度設定も要らないということ。
(EASY/NORMAL/HARD/EXTRAみたいな)
結局、EXTRAをクリアしないとそのゲームを完全攻略できないなら、
ハナから難易度設定機能なんてつけるな!
最近そんな『隠し』を履き違えたゲームが多い気がします。
Posted by 埼玉のハチ at 2008年09月17日 13:38
>埼玉のハチ
おれも、「モンハンは難しすぎる!!レベルがないし、あんなのやってられない!」と思って気づいたら1200時間が経過してました(笑)

一時期辞めていたけども、あっき〜がやっていたのがきっかけであれだけドツボにハマったわけで・・
その意味で、「いっしょにやる仲間」が大切なんだよね。
ハチがいなかったらいまごろガンダムやってなかっただろうし。

その中で、一度ハマると抜けられないおもしろさがあれば最高なんだよね。

理不尽なまでの難しさがあってこそのゲームなんだから、そこを変えちゃいかんよ、ホント。


「これぞ東方不敗八卦の陣、一度ハマれば抜けられん!覚悟せ〜い!!」(笑)
Posted by くみちょう at 2008年09月17日 16:49
 
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