2009年08月06日

「知ること」は苦しみ?

こんな話があります。

「都会のらくだと田舎のらくだ」

「都会に住むらくだ」は、週休二日で、定時に仕事が終わります。
仕事の内容は、都会のタクシーとしての仕事です。
給料もよく、のびのびと仕事をしています。

そんな「都会のらくだ」くん、ちょうどいまから夏休み。
長期休暇ということで、田舎に遊びに行くことにしました。

「知ること」は苦しみ?



ところかわって、「田舎のらくだ」くん、
毎日、砂漠の暑いところを、おもーい荷物を運んでおります。
休日などはありません。必要であれば残業もしております。
毎日毎日、来る日も来る日も、人と荷物を運んでおります。


そんな様子を、遊びに来ていた「都会のらくだ」くんが見ていて言いました。
「ねぇ、田舎のらくださん、毎日休みもなく、残業もさせられているみたいで、
しかも仕事の内容はツライし、【苦労】続きで大変じゃないの?」


それに対して、田舎のらくだくんは、一言、こう返しました。

【苦労】ってなんなのさ?」


「田舎のらくださん」は、都会のことも一切知らずにすごしてきました。
ほかと比較することもできないことから、「苦労している」とも思っていませんでした
田舎のらくださんにとって、それはいつものことでしかなかったのです。


さて、このあと、「田舎のらくださん」はどうなったと思いますか?

また、みなさんはこのお話を聴いて、どう考えますか?

○ 比較対象である「都会のらくだ」さんのことを知ってしまったから「苦労」することになるんだ。
 そんなこと、知らずに過ごしていけたらよかったのに・・・
○ 話を聴いても、「田舎のらくださん」は、田舎で変わらず仕事を続けた
○ 田舎のらくださんは、「よりよい生活」を求めて「都会」へと旅立った
○ 都会には都会のよさがある。田舎には田舎のよさがある。一概には言えない
○ 都会のらくだも、仕事の楽しさをしって「田舎」に移り住んだ


・・・などなど・・・

私はこのお話、すっごく深いなと思っております。
現代の日本って、まさに「都会のらくだ」なんじゃないでしょうか?
昨今の社会問題の大半が、ここに収束されているように感じています。

「こんな楽な生活ができるのに、なんで苦労しなくちゃいけないの?」
そんなふうにして、人に自分の行き方を強要する人もたくさんいるような気がします。

また逆に、
「政治なんてわかる人がやればいいんだ!!関わらずに生活できたらそれでいい」
そうして「田舎のらくだ」の生活に戻ろうとする人たちもいます。

情報を知らずにいたらそれで済んだのに・・・知ってしまったからこその苦悩
そういったものは正直あるなって思います。
「都会のらくだ」は、「楽な生活」を知ってしまったから、いまさら「苦労する道」を選べない。
それって「不幸なこと」なのでしょうか。
そもそも、「幸せ」と「不幸」ってどういうことなのでしょうか。


いま、「日本は物質的に豊かすぎるのが問題だ!!」として、
「戦争が起きたら、自分たちのことを反省できるだろう」とか、
「物質的な豊かさを捨てることではじめて、精神的な豊かさが手に入るのだ」
とか、
そんな極論が話されているのを感じています。

でも、本当にそれで物事解決するのでしょうか。

「田舎のらくだ」は、確かに「比較対象がない」ということで、
苦悩する必要がなかったというのは事実だと思います。

本当にそれはしあわせなのでしょうか。

「都会のらくだ」の生き方が必ずしもいいとは言えませんが、
それも知った上で、自分はどんな生き方をするのかを、
自分で選ぶことが、一番のしあわせなのではないでしょうか。


私は、いまの日本の現状を考えたときに、
「物質的に豊かになったからこそ、精神的な側面を考える余裕ができた」
と考えています。
「物質的な満足や、甘やかしが過ぎたから今の子供たちはダメなんだ」
そう言ってしまったら、物質的な豊かさを求めてがんばってきてくれた
ご先祖様たちに対して、申し訳がないと
感じています。

「食べることが満たされていないからこそ、精一杯食べていた時代。
だから食べ物を粗末になんかしない。
だから、そうした時代と同じようになれば、食べ物を粗末にしなくなるのだ。」

それはそうですが、「豊かになった上で、食べ物を粗末にしない。」
そうしたことが、これからの時代において大切なことなのではないでしょうか。


「知らずにいることがしあわせ」

もしそうだとするならば、国民はみな、「愚民化」してしまうことが一番しあわせだということになります。
政治問題についても、知らずにいられたならば、不満を持つこともありえません。

でも、それは本当のしあわせだとは言えないと、私は感じています。

「知った上で、しあわせを求めて自身で選択し、
行動していくことが、人生を豊かにしていくことにつながる」

のではないでしょうか。


知ることで「絶望」したり「悲しんだり」「嘆いたり」することにもなるかもしれません。
それでも、知った上で乗り越えていくことを大切にしていきたい。

もちろん、「必ずしもそれがすべて」だとは思いませんが、ね。

知るタイミング、というのもあると思います。
知らないほうがいいことも、世の中にはあるのかもしれません。。。。

そうしたことを常に考え続けて、
これからも自分に問い続けていきたいと、そう思っています。



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Posted by くみちょう at 18:00│Comments(0)まじめ
 
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