2011年06月23日

【大人しく生きる】のが大人ってことなのか

私が、まだ学生をやっていた頃のお話。

「県庁」にて、「公務員を考える」ということをテーマで、
話し合いが行われました。


「コーディネーター」として大学教授。
「公務員」として「市町村役人と県庁役人」
「地域代表」として「主婦・サラリーマン・自営業者」など
そして「学生代表」として、私を含めて大学生数名


話がはじまりまして、
まあ「クレームの嵐」です。

「お役所はお決まりのことしかしない」
「休日にやっていてくれないと、仕事休んで行政手続きに行けない」
「この不況下に安定した給料もらっていて・・・」


などなど、まあお決まりのやりとりをします。

その後、「そうでもないよ。公務員の方もがんばっているよ」
というような声もちらほら。

実際に動いている職員のみなさまの実例なども踏まえて、
いろいろとお話が盛り上がりました。

まあ、それはそれで、一つ住民と公務員が近づく機会になったと思います。


で、「最後に、学生側から、何か意見や聞いてみたいことなどありますか」
ということで、当時の私自身が正直に感じていたことを聞いてみました。

「いま、色々とみなさまのお話を伺うことができました。ありがとうございました。
そうした様々なお話をいただいた上で、みなさまにぜひ聞いてみたいと思います。

【正直なところとして、私たち学生に向けて、

【公務員になってもらいたいと思いますか
それともなってもらいたくないと思いますか】


いま、みなさまのお話をうかがっていて、
公務員に対しての様々な思いが伺えました。
改善すべきところなどについても、もっともだなと思うことも多々ありました。
そうしたお話を受けた上で、次のお話を聴いていただきたいと思います。

私ごとですが、自分の地元に戻った際に、
友人のお母さんや地元の人たちから言われる言葉があります。
【地元の国立大学を出たのだから、公務員になるんだよね。
いいよね。公務員なら楽して安定しているし。人生にまちがいはないよ】
と。

自分だけじゃありません。私の親に対しても、そうした言葉を投げかけてきます。

また、私以外にも同級生や、下級生からも
そういったことを言われたということを聴いています。

でも、これっておかしくないですか。

かたや【公務員なんて最低だ!!給料が安定していると思って・・・】
などのクレームをつけておいて、
かたや自分の子供や、関係者には【公務員になるといいよ】
って、
いったいどういうことなんでしょうか。

私は今、自分の将来を考えています。
でも【公務員なんて最低だ】と言っているのを耳にして、
それになろうという気には正直なれません。
本当のところを、ぜひともお話いただきたいと思います。」

【大人しく生きる】のが大人ってことなのか



・・・


結局、その場では誰も答えず。
無難に「まあ色々ありますが・・・」というような形で
その会は閉会となりました。

閉会となったあと、
「気持ちはわからなくもないけど、
それをあの場で言うのはどうかと思う」

という言葉を何人かの方からいただきました。

当時の私は「公務員について考える会で言わないで、
はたしてどこで言えばいいんだ!!!」
と食って掛かったものでした。

いま考えると、たしかにその場にいたみなさんに対して
「責めていた言葉」でしかないのかもしれません。
「あの場においてそれを話すのは、公開処刑」に近いものでもあったのかもしれません。
でも、学生時代の自分の、偽らざる思いであったのもまた、事実です。

「人は、自分の立場でしか見ることができない。
そして、他人に対していろんなことを言うが、
それはたいていの場合、本当にその人のためになることや
世の中のためになることを言っているのではなく、
単にうらやましかったり、ねたましかったりするだけなのではないか。」


そんなことを、学生卒業してしばらくずっと考えていました。
それに近いことを発言していたこともあります。

しかし、その時にある人にこう言われました。

「それに文句をつける君も、結局は同じだよ。
もし本当に文句をつけたいのであれば、それを変えられる立場に立てばいい。
それができないなら、【大人しく】立場をわきまえて、
それを受け容れて生きろ。それが【処世術】というものだ。」


・・・変えられる立場・・・

しかし、こうした問題って、
「一人ひとりが意識が変わること」が大切なのであって、
「変えよう」とするのでは意味がない
ということを感じています。

どれが答え、というものがあるわけではありません。
「わかっているけどもそれを飲み込んで生きていくのが【処世術】だ」
ということが、いまの日本社会における
「絶対多数」の考え方
なのかもしれません。

それが変わっていくのか、変わらないのか。

自分はどの生き方で生きていくのか。

保留し続けられる問題ではない。

もっともっと、深く考えていきたいと思っています。



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Posted by くみちょう at 20:00│Comments(0)まじめ
 
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