2012年05月23日

むしられた花

「やっと咲いた花をむしられた」

このお話は、先日相談を受けた
ある「ひきこもり」のお話を
本人と特定できないようにアレンジしたものです。

むしられた花



二年間かけて育てた花を
「雑草だと思った」
と言われて引き抜かれた

「許せない!!!」

とりあえず、事情がわからないとなんともいえないので、
じっくりとお話を伺いました。

とあるひきこもりの娘さんのいるご家庭。
とはいっても、年齢はすでに40近く。
家の手伝いをしてくれるでもなく
家にい続けているとのこと。

それに関しては、もう半分くらいあきらめているとのことで。

で、先日お母さんが「庭の掃除」をしてきました。
大切に育てている「お花」を残して、
まわりの雑草を全部きれいにしてきた。

ほぼ丸一日かけて、
雑草をきれいに抜き終わって、
一息ついて休んでいた。

そのとき、事件は起きたそうです。

ふと庭先を見ると、娘が
「お花」をむしりとっている姿が・・・

「なにやってるの!!!」

急いで駆けつけたけど、時すでに遅し。
2年かけてようやくきれいに咲き誇っていた
おかあさんが大切にしていた花はすべて
むしりとられてしまいました。。。

「わざとでしょ!?
何が気に食わないの!!!」

そう怒ったお母さん。

だけど、娘は逆ギレ。
「雑草だと思ったから抜いたのに、何が悪いの!!!」
・・・ということで、相談をいただきました。

「どうしたらいいんですか?」

とりあえず、じっくりとお話を伺わないとわからない。
ということで、その娘さんからお話を伺うことにしました。

「・・・草むしりの手伝いをしようとしただけ・・・」
「・・・全部やるのは無理だけど
「あとちょっとだけ残っていた」から
あれくらいなら自分でもできると思った」
「なんで怒られなきゃいけないのかわからない」
「そもそも雑草が大切なの?」


確かに、お花を育てていないと
そのお花の大切さはわからないかもしれません。
その意味でいくと、このひきこもりを続けているむすめさんの
気持ちもわかる気がします。
また、「全部は無理だけど、あれくらいなら・・・」
という「がんばろう」という意思もわからなくもない。

そして、お母さんが泣きながら訴えてきたこと
「私が、どんな気持ちで2年間育ててきて、
本当に・・・やっと咲いて・・・うれしくて・・・
なのに、咲いた途端にこうして摘み取られて・・・
いつも草むしりなんて、言ってもしないくせに、
絶対わざとだ!!!」

大切にしてきたものを無下にされた悲しみと怒り。
それが伝わってきて、言葉が出ませんでした。


今回、一回相談をいただいたわけですが、
これだけで解決する、ということが言えるようなことはできませんでした。

「またお話をうかがえたらと思います」

そう言ってきたのですが・・・
今回の事例だけがすべてではなく、
この前に根深いものがあるからこそ、
その一端として表出した問題なんですよね。

だから、これだけを見て、どちらが正しくて
どちらが間違っていてという判断もできないし、
もちろん、どちらの言い分もあって。。。

こうしたことの積み重ねを、
40年繰り返してきたものを
さてどうやって解決するのかって。

改めて自分がやってきた活動について
30年の積み重ねを、さくっと1時間で解決したり
すっきりさせたりできる技能があるのかなぁと思ったり、
積み重ねた時間と同じだけの時間を要して、
ゆっくりゆっくり変化していくものだよなあと思ったりもして。。。

それにしても、今回は
お母さんが泣きながら訴えかけてきた
その感情が私の中に強く残った、そんな事例でした。

感情で流されちゃいけないんだけどね。



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Posted by くみちょう at 13:00│Comments(0)まじめ
 
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