2009年12月27日

「いつ、どう伝えたら・・・」

人の心って、受け容れられる時と
受け容れられない時ってありますよね。

「はっきりズバっと言えばいい」
そのことはよく言われますが、
それって、受け容れられる体制がある人の言葉であって、
なかなかに、そのことを受け容れられるかどうかは難しかったりします。
まあ、受け容れられずとも、
「いつか気がつけばいい」
そんな感覚で待っていられればいいですが、
そうもいかないような悩みを持っている人もいるわけで・・・

「いつ、どう伝えたら」悩む親、医療現場 重い事実、求められる心のサポート

一昨年9月、西日本で一人の医学生が自ら命を絶った。
自分に性分化疾患があると知って間もなくのことだった。
悲しみの中にいる父親が「あの子が生きた証しを残したい」と、
一人娘の21年の人生を記者に語った。

 由紀子さん=仮名=は生後6カ月の時、卵巣ヘルニアの疑いで手術を受けた。
自分も医師である父正継さん(54)=同=は手術に立ち会い、
執刀医の言葉にぼうぜんとした。「卵巣ではなく、精巣のようです」
検査の結果、染色体や性腺は男性型だが外見や心は女性になる疾患
(完全型アンドロゲン不応症)と分かった。

 夫婦は迷わず女性として育て、
本人には「小さい時に卵巣の手術をした。
生理はこないかもしれない」とだけ伝えた。
「出産も結婚も望めない。せめて一人で生きていける力をつけてやりたい」。
両親の願いに応え、由紀子さんは医学部に合格。
正継さんは「これで体のことを理解できるようになる。
医者になるころにすべてを知るのが一番いい」と思った。
だが、そうはならなかった。

 大学1年生のクリスマス。
由紀子さんは同級生から告白され、交際が始まった。
翌春、初めての性交渉がきっかけで生理に似た出血が1週間続き、母親に相談した。
正継さんは「昔の診断は間違っていたのではないか」と淡い期待を抱いた。
改めて診察を受けようと、娘に初めて病名を伝えた。

 夏、由紀子さんは「誰にも知られたくない」と、遠くの病院で検査を受けた。
そこで告げられたのは、親子のわずかな望みをも断ち切る残酷なものだった。
染色体は男性型の「XY」。子宮や卵巣はなかった。
「あの医者、どうしてさらっと『子宮はないね』なんて言えるの?」。
そう憤る娘が痛々しかった。

 診断から1カ月後。由紀子さんは下宿の浴室に練炭を持ち込み、自殺した。
室内に遺書があった。「体のこと、恋愛のこと、いろんなことがあって……」。
携帯電話には自殺直前に彼氏とやりとりしたメールの記録が残っていた。
由紀子さんは自分の疾患のことを彼氏に打ち明け、距離を置こうと切り出されていたという。
まだ若い学生が抱えるには重すぎる事実だったのだろうか

「いつ、どう伝えたら・・・」



なんでしょうね。
せつなすぎるこの事実。
でも、こうした「受け容れる心」って難しいですよね。
そう育ててくればよかった、とも言えるのかもしれませんが、
事実、こうした辛いことって受け容れることができない。

そして、拒否することでまたより一層悩みが大きくなる。

そんな悩みを持つ人たちとの会話が多い私としては、
まさに「話の切り出しところ」というのは非常に難しく、
そして注意してもしたりないなと感じております。

悩みの打ち明け方と、それに対しての返答。

悩んでいてもはじまらないので、どこかで伝えるようにはしますが、
そのタイミング、あらためて深く考えたいと思います。



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Posted by くみちょう at 21:00│Comments(0)まじめ
 
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